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2016.04.02 / ITベンダー・SI事業者

ITを味方に付けるための3つのステップ

  • 事業のグローバル化に対応するために業務プロセスを変革したい
  • 製品原価を下げるために調達や生産の仕組みを革新したい
  • 市場のニーズの変化に即応するためにマーケティングと研究・開発との連携を強化したい

このようなニーズに対応するには、もはやITを抜きにして考えることはできません。

  • UberやAirbnbのような「ITと一体化した新規ビジネス」を実現したい
  • 「モノ売りビジネス」から「サービス・ビジネス」への転換を図りたい
  • お客様の利用状況や障害をリアルタイムで把握してすぐに対応できる仕組みで、競合他社を突き放したい

そのためには、ITやデジタル・ビジネスの最新トレンドを把握して、最新のテクノロジーを武器としたビジネス・モデルを作らなければなりません。

「ITのことは専門外なので、そういうことはIT部門やITベンダーに任せればいい」

その考えが現実的ではないことは、先週のブログにて述べたとおりです。そのためには、経営者や事業部門は、自らの役割として次の3つのステップを実践する必要があります。

 

1.「あるべき姿」を明らかにする

  • 圧倒的な価格競争力で業界トップの地位を確保したい
  • スピード対応で他社の追随を許さない
  • 顧客の要望にきめ細かく迅速に対応できるサポート力で顧客を囲い込みたい

どうやって実現するかではなく、結果としてどうなっていたいのか、すなわち「あるべき姿」を明らかにすることが最初の一歩です。

ITを使うか、ITを使わずに業務プロセスの改革で実現するかは、この段階で考えることではありません。むしろ、経営や事業のゴールを明確に定めることが、経営者や事業部門の大切な役割です。

2.達成基準を決める

どのような結果が出れば成功したと見做すのかを決める必要があります。例えば、「圧倒的な価格競争力で業界トップの地位を確保したい」のであれば、「売上、営業利益、顧客シェアでトップを維持する」こととなります。この場合は、売上だけを達成しても営業利益や顧客シェアで競合他社の後塵を拝するのであれば、成功とは言えません。

また、それを3年間かけて達成するのであれば、例えば初年度は売上、2年目は営業利益、3年目で顧客シェアのトップを達成すると言ったように期限を区切って達成目標を設定することです。

3.戦略・作戦・戦術を決める

  • 戦略(Strategy):目指すべきゴール、すなわち「あるべき姿」を実現するためのシナリオ。
  • 作戦(Operation):はこの戦略を実現するためのひとつひとつのプロジェクト。
  • 戦術(Tactics):そのプロジェクトを遂行するための手段や道具。

これらひとつひとつを決めてゆきます。この段階で、はじめてITが関わってきます。

戦略(Strategy)

「戦略」の段階では、「思想としてのIT」を考慮する必要があります。人工知能やIoT、クラウドなどのテクノロジーの進化は、それまで非常識だったことを常識に変えてしまうことだってあります。例えば、

  • これまではコストがかかりすぎてとても考えられなかった
  • 高度な熟練が必要で人間にしかできなかった
  • 規制があってできなかった など

テクノロジーの進化が常識を変える事例が数々登場しています。

「そんなことはできるはずはない」といった思い込みを廃し、テクノロジーのトレンドやデジタル・ビジネスの事例を丁寧に調べ、可能性を探ることです。

ネットや書籍で調べることも大切ですが、ベンチャー企業や大学などとの共同での研究や技術開発、優れた技術やアイデアを集めるイベントの主宰やコミュニティーへの参加など、感度を高く最新の事情に触れ、知恵や知識を持つ人たちとつながっておく取り組みが大切になるでしょう。

そんな知識を頼りに、例えば、「自動操縦技術とマルチスペクトル・カメラを搭載したドローンによる農場監視システムと人工知能による解析技術を活用して農業支援情報を提供し、農業生産の効率化と品質向上に貢献する」といった戦略を立てることができます。

作戦(Operation)

作戦においては、「仕組みとしてのIT」を考えます。どのような手順で、どのような手続きを行い、どのようなやり方で結果を出すか。そんなビジネス・プロセスや業務手順を明確に定義して、それを実現するプロジェクトです。

業務プロセスを改革するだけで、ITを使わずに実現するという選択もあるかもしれません。あるいは、効率やスピードを考えれば、ITをうまく使った方が効果的かもしれません。

ITを使うことを選択したとき、「ITの専門家ではないから」という言い訳をすべきではありません。目標を達成するためのプロジェクトである「作戦」において、業務プロセスやビジネス・モデルとITは分けて考えることができないからです。

具体的なプログラミングや機器の設定作業はITの専門家に任せればいいのですが、ITで何ができるか、どのような効果が期待できるかを正しく理解し、活用の仕方を考えることは経営者や事業部門の責任です。

戦術(Tactics)

戦術において考慮すべきは、「道具としてのIT」です。例えば、

  • どのタブレット端末はコストパフォーマンスが高いか
  • どのパッケージ・ソフトウエアが作戦の実現には最適か
  • どの開発ツールを使えば開発の生産性を高かめられるか など

これからおこなおうとしている「作戦」にふさわしい手段として最適なものはどれか、また、それを使えるようにするための手順や使いこなすためのスキルをどのように身につければいいのかをITの専門家である情報システム部門やITベンダーに提案を求めるとよいでしょう。

新しいことへの提案を彼らに求めたとき、時にして「そんなことはできません」あるいは、「まだ技術的には未熟ですからやるべきではありません」といった回答をうけることがあります。旧来のテクノロジーの経験しか無く、リスクを冒すことを嫌う保守的な彼らからはこんな反応が返ってくることがあります。しかし、新しいことへ果敢にチャレンジしているITベンダーもどんどん登場しています。そういう企業にも積極的に提案を求め、選択肢を広げてゆくべきです。

「うちと長年付き合いがあり、事情もよく知っているから」といったことだけで特定ベンダーだけの提案を鵜呑みにすることは、厳に慎むべきです。

  • 他社の提案と比較し可能性を広げ選択肢を増やす。
  • ビジネスの要件を正しく満たしているかを吟味する。
  • 満たしていないとすればその理由は何か、どうすればギャップを埋められるかを提案者と議論し検討する。

最終的なゴールの達成は経営者や事業部門の責任です。詳細な技術論はともかくとしても、彼らの提案の妥当性を評価し、できるかどうかの評価と確認は自らの責任であると自覚し、知見を蓄積してゆくことが大切です。

ただ、規模大きく、技術も高度で、ビジネスへの影響度が大きい場合には、素人判断は禁物です。次週紹介するような「アーキテクト」をスタッフとして擁し、彼らと相談しながら判断してゆくといいでしょう。

【最新版】最新のITトレンドとビジネス戦略【2016年4月版】

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【大幅改訂】新入社員研修のための「ITの教科書」

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さて、この教科書を作った理由ですが、新入社員に教えるITの基礎知識ですが、それこそ30年前の常識を教えることに留まり、クラウドやIoT、人工知能などの最新の動向を教えないといった企業も少なくないからです。未来を担う新人たちにそんなことでいいはずはありません。

そこで、そんな彼らのために最新のITトレンドを教えると共に、その前提となる基礎知識についても、最新の動向の理解を助ける内容として、作りました。

改めて基礎的なこと、そしてITの最新動向を整理したいという皆さんにもお役に立つと思います。

ITの基礎
情報システムの基礎
ITの最新トレンド

それぞれ、プレゼンテーション(PPTX形式)と教科書(DOCX形式)がダウンロードできます。
ダウンロード頂いた資料はロイヤリティフリーですから、それぞれに合わせて自由に加工編集してご活用下さい。

【最新版リリース】ITのトレンドとビジネス戦略・最新版【2016年4月】

【インフラ・プラットフォーム編】(267ページ)

  • PaaSの内容を更新しました。
  • APIエコノミーについての解説を追加しました。
  • データベースの内容を更新しました。
  • 新たに「ストレージの最新動向」の章を追加しました。

【サービス・アプリケーション編】(218ページ)

  • IoT
    • M2M/IoTの発展経緯とCSP(Cyber-Physical Systems)を訂正しました。
    • 機器のイノベーションとビジネス戦略を追加しました。
  • スマートマシン
    • スマートマシンとは何かを簡単に説明するチャートを追加しました。
    • 人工知能と機械学習を追加しました。
    • 人工知能の4レベルを追加しました。
    • ニューラルネットワークの原理を追加しました。
  • 開発と運用
    • アジャイルとDevOpsの関係について訂正および新たなチャートを追加しました。
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【ビジネス戦略編】(91ページ)

  • ポストSI時代に求められる人材について内容を改訂しました。
  • 常識崩壊の時代を追加しました。
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閲覧は無料です。ダウンロード頂く場合は会員登録(500円/月)が必要となります。
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まずは、どのような内容かご覧頂ければ幸いです。

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「ポストSIビジネスのシナリオをどう描けば良いのか」

これまでと同じやり方では、収益を維持・拡大することは難しくなるでしょう。しかし、工夫次第では、SIを魅力的なビジネスに再生させることができます。

その戦略とシナリオを一冊の本にまとめました。

「システムインテグレーション再生の戦略」

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  • 歴史的事実や数字的裏付けに基づき現状を整理し、その具体的な対策を示すこと。
  • 身の丈に合った事例を紹介し、具体的なビジネスのイメージを描きやすくすること。
  • 新規事業を立ち上げるための課題や成功させるための実践的なノウハウを解説すること。

また、本書に掲載している全60枚の図表は、ロイヤリティ・フリーのパワーポイントでダウンロードできます。経営会議や企画書の資料として、ご使用下さい。

こんな方に読んでいただきたい内容です。

SIビジネスに関わる方々で、

  • 経営者や管理者、事業責任者
  • 新規事業開発の責任者や担当者
  • お客様に新たな提案を仕掛けようとしている営業
  • 人材育成の責任者や担当者
  • 新しいビジネスのマーケティングやプロモーション関係者
  • プロジェクトのリーダーやマネージャー

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